夏・秋野菜の栽培管理のまとめ

去る6/28に行われた講習会、これからの季節にとても重要となる野菜ごとの栽培管理のポイントを分かりやすく整理しました。

ネギの防除スケジュール、ナスの追肥のタイミング、トマトの摘果から、キャベツの高温期育苗、そして夏秋の病害虫対策まで盛りだくさんです。ぜひ日々の畑仕事のチェックリストとしてご活用ください!(新潟県新発田市近郊の条件で説明しています)

ネギの栽培管理:病害虫防除と土寄せスケジュール

ネギを病気にせず、白く立派に育てるための防除と土寄せのタイミングです。

🐛 植え付け直後からの防除スケジュール

  1. 植え付け時: 被害が出る前に「ダントツ粒剤」(ハモグリバエ・アザミウマ対策、計4回まで)を散布。
  2. 2週間後(根付いた頃): 1回目の追っかけ散布。
  3. さらに2週間後: 2回目の追っかけ散布(残りは秋に使用)。
  4. 夏〜秋のローテーション: 7月中旬に「プリロッソ」 ➔ 9月上〜中旬に「ダントツ」 ➔ 最後に「プリロッソ」で締めくくります。
  5. 軟腐病(病気)対策: 水はけを良く保ち、ダントツと一緒に「オリゼメート」を散布します。

🌾 肥料と土寄せのタイミング

  • 肥料の選び方: 化成肥料(8-8-8、10-10-10、セルホスなど)を使用します。※有機質(けいふん・油かす)は病気の原因になりやすいため避けます。
  • 土寄せの時期:
    • 7/25までに一度目の土寄せを完了させます(土の寄せすぎには注意)。
    • 夏の酷暑期は休ませ、9/10以降(夜の気温が10℃代になる時期)から再び土寄せを再開します。

ナス・ピーマン等の果菜類:追肥とわき芽とりの基本

ナス、ピーマン、ししとう、なんばん等の株を長持ちさせる手入れです。

  • 収穫が始まったら:追肥のタイミング
    • 液肥: 7〜10日ごとに与えます。
    • 粒肥: 2〜3週間ごとに、1株あたり10〜20gを目安に追肥します。(一発肥料を使っている場合は、水をしっかりあげて効かせます)。

💡 お手軽!「一握り」の重さの目安(軽くにぎった場合)

  • 男性:約30〜40g
  • 女性:約20〜30g ※これ一握りで「3〜4株分」の追肥が可能です!
  • 施肥の位置(マルチの有無):
    • マルチを張っている場合:通路へ施肥(8-8-8 や 10-10-10 など)
    • マルチが無い場合:うねの肩へ施肥(14-14-14 など)
  • わき芽とり
    • 株の体力を落とさないよう、1〜2週間で1枚ずつ、本葉5枚目までのわき芽は落としてスッキリさせて大丈夫です。
    • 病気の感染を防ぐため、必ず「天気の良い日」に行い、傷口を素早く乾かすのが鉄則です。

トマト栽培:長期間たくさん収穫するための「摘果」と「草勢判断」

トマト(路地・夏秋雨除け栽培)で、後半まで立派な実を収穫し続けるための秘訣です。

🍅 1〜3段目の「摘果」がその後の収量を決める!

  • 1果房につき「3果」に制限する
    • 1〜3段目は、果実がゴルフボール大になったタイミングで、大きくて形の良いものを3つ残して他は摘果します。
  • 摘果をしない場合の弊害
    • 最初に実をならせすぎると株(親)に大きな負担がかかり、中段の茎が細くなって着果不良を起こします。結果として、後半の収量が全く伸びなくなってしまいます。
    • 低段(1〜3段)で株に負担をかけないことで、4〜6段目以降も立派なトマトが安定して収穫できるようになります(路地栽培では5〜6段まで、雨除けでは12〜13段どりが目標)。

🔍 草勢(株の勢い)の正しい判断方法

  • 判断のタイミング: 晴天日の午前10時ごろ、成長点から15cmほどの「茎の太さ」や「葉の巻き込み具合」で判断します。
  • 理想の草勢(目安): 2段開花期で茎の太さ1cm、3段開花期で1.2cm(支柱の直径1.5cmを基準に比較します)。
  • 温暖化対策のワンポイント: 近年は気温が高いため、草勢は「やや強め」に作るのがおすすめです。葉が茂ることで直射日光から実を守る「リーフカバー」となり、実が割れる(裂果)トラブルや黄変果を減らすことができます。

💧 水やりとカルシウム対策

  • 水やり: トマトが黄色くなるまでは「少量多灌水」(目安:1カップを朝と晩)でしっかり水をあげます。
  • お尻の黒ずみ対策: カルシウム不足は「尻ぐされ病」の直結するため、しっかり対策を施しましょう。

キャベツの高温期育苗:ひょろひょろ(徒長)させない苗作り

夏の暑い時期に行うキャベツの育苗(セル成型苗)は、「温度管理」「夕方の水分コントロール」が命です。

① 種まきと準備

  • セルトレイ: 128穴の白色トレイを使用し、下に敷く育苗箱(アンダートレイ)は底穴が多いものを選びます。
  • 培土: 徒長を防ぐため、窒素分が少なめ(100mg/L以下、スミソイルN-100など)の専用培土をトレイの高さぴったりに詰めます。
  • 種まき・覆土: 深さ5mmほどの穴に1穴1粒ずつ播きます。覆土には徒長防止効果のあるケイ酸カルシウム資材(「イネニカ」等)をトレイと平らになるように使い、その後たっぷり水やりをします。

② 発芽までの温度対策(最重要!)

発芽の最適地温は20〜25℃です。夏場は種まき後約3日で発芽するため、それまでの環境が勝負です。

  • 置き場所の工夫: 以下のいずれかで涼しく保ちます。
    1. 屋内の涼しい場所(納屋など)にトレイを積み重ねておく。
    2. ハウス内にコンテナ等で地面から浮かせて並べ、遮光率100%に近いネットを屋根にかける。
    3. 雨が当たらない明るい下屋(げや)に並べる(虫に注意)。
  • 移動のタイミング: 種まき後2日目の夕方(発芽直前)に、ハウス内の地面から30cm以上浮かせて並べ替え(直管パイプやコンテナを使用)、遮光ネットを外します。

③ 発芽後の管理と病害虫ガード

  • 温度・風通し: ハウスのサイドは常時全開にします。高温時は遮光率20〜30%のネットや大型扇風機で空気を循環させます。
  • 水やり: 原則午前中に行います。夕方に葉が湿っていると「べと病」や徒長の原因になるため、夕方の灌水は厳禁です(苗が大きくなったら朝・昼過ぎの2回)。
  • 追肥: 普段は葉色がやや淡い程度にキープし、定植直前に窒素分の多い液肥を与えると、植え付け後の活着と生育がよくなります。
  • 虫対策: チョウ類、アザミウマ、アブラムシ対策として、防虫ネットで囲うか殺虫剤を散布します。

夏〜秋に多発する病害虫の対策

🦟 問い合わせ多数の害虫とおすすめ薬剤

  • 要注意害虫: アブラムシ、ウリハムシ、カメムシ、スズメガ、オオタバコガ、ハイマダラノメイガ(シンクイムシ)
  • 対応薬剤: トレボン乳剤・粉剤、アディオン乳剤、アファーム乳剤(野菜に合わせて2000〜3000倍に希釈)。タネギの定植前にはフロンサイド粉剤も有効。

菌 「うどんこ病(糸状菌)」の発生条件と予防

うどんこ病はカビの一種で、以下の環境で一気に広がります。

  • 好む環境: 温暖で乾燥した気候(気温20〜28℃、湿度60〜80%)。
  • 発病の引き金: 昼夜の温度差が大きいと、夜間に葉の表面に水滴がついて発病しやすくなります。
  • 最大の対策: 株間が狭く風通しが悪いと湿気がこもります。適切な株間を保ち、風通しを良くすることが最高の予防です。

秋冬野菜の作付け・仕込みカレンダー

これからの時期に向けて、種まきや苗の準備を計画的に進めましょう!

野菜名種まき・管理のタイミング備考・対策のポイント
ソラマメ(多空の春など)10/10 〜 種まき不織布やビニールでの防寒対策を準備
ダイコン9/5、9/10 の2回時期をずらして「2回撒き」にする
絹さや秋まきOK順次計画を立てる
スナップエンドウ2月種まき春先の準備に向けて
その他秋野菜苗随時確保大根、タマネギ、カブ、白菜(きらぼし77)など、入荷状況をチェック

夏から秋にかけての丁寧な管理が、秋以降の長引く収穫や豊作へとつながります。

大変暑い中での作業になりますので、こまめな水分補給と休憩を挟みながら、無理のない範囲で畑仕事を楽しみましょう!